【炎上の本質とは】不寛容社会 (谷本 真由美)の感想

ネットの炎上が起こるのはなぜか?不寛容社会(谷本 真由美)を読んで感じた事

炎上ってみなさんご存じですか?



炎上(えんじょう、英: Flaming)とは、不祥事の発覚をきっかけに、非難が殺到する事態または状況を差す。また、このような状態を祭りとも呼ぶ。(wikipedia

ここ最近のネットの炎上の事例としては、茂木健一郎さんが「最近のお笑いはオワコン(終わったコンテンツ)」とツイッター上で発言し、炎上しましたね(個人的にはすごく納得する意見でしたが)


さて、炎上はなぜ起こるのでしょうか。今回は元国連専門機関職員の谷本真由美さん著の、「不寛容社会」の要約と感想を書いていきたいと思います。

谷本 真由美(たにもと まゆみ、1975年 - )は日本の評論家、公認情報システム監査人(CISA)。元国連専門機関職員(Wikipedia)





なぜ日本のメディアは炎上ネタを扱うのか

ここ最近で記憶に新しいのは、さきほどの茂木健一郎さん、高畑淳子などですかね。
そもそもなぜ日本のメディアは、炎上ネタを扱うのでしょうか。


まず、一つ目の理由としては、炎上ネタは費用対効果が高いからです。谷本さんはこのように説明しています。

他人叩きは費用対効果が高い。視聴率が稼げる。消費者も、悪者を探して情緒的に叩く報道。芸能人叩きは、リスクもコストも低い。(一部引用)

誰かの不祥事は、制作するコストがものすごく低い割には、ものすごく人が興味を持ってくれるネタなんですよね。誰かの不倫とか、専門家なんて呼ばなくてもさくっとネタにできるし、普通の大企業の不正等を追及するよりもリスクが低い。さきほどの茂木健一郎なんてツイッターのコメント一個引用するだけで終わりですからね。


さらに実はオーディエンスも炎上ネタは大好きなんです。自分の正義感で、誰かを断罪するのってみんな好きです。僕自身もブログをやっていて、バズる記事を書こうと思うと、50%の人が圧倒的に肯定して、50%の人が完全に否定したくなるような記事を書きます。それこそ「学校はいらない」とか、「大学に行く必要がある!」とか。学校が必要だと思っている人、いらないと思っている人、大学に行っていた人、大学にいけなかった(いかなかった人)には、お互い自分の正義がある。正義があると正義感振りかざしてコメントするとシェアされる。正義感を刺激すると、どんなにクソ記事でも拡散するんですよね。


だから、炎上しやすいネタは制作コストも低ければ、ものすごく人にシェアされる。費用対効果が高いわけです。


もう一つ、谷本さんは日本のメディアがなぜ炎上ネタを扱うのかについて説明しています。それはメディアの体質が原因だそうです。

日本のメディアは感情的な報道しかしない。理由は、業界の人材流動性。専門的な人が中途で入ってきにくいので、素人的な記事や、感情的な叩きが多くなってしまう

たしかに、僕もそう思います。日本のコメンテーターとか見ると、一見肩書はすごいけど、全然その道の専門家でもなんでもない人がコメントしてますよね。というか、専門家の人が感情的なたたきをしていて、視聴者が喜ぶのかもしれません。こいつが悪い!ってのが専門家からの免罪符がもらえますから。


この本にも書いてあったのですが、炎上の助長しているのは視聴者にも原因があると思います。そういう頭使わなくても気軽に正義感振りかざせるコンテンツが好きだから炎上ネタをメディアがひっきりなしに出すわけですから。

炎上の原因は? 他人に対しての羨み、羨望と規範意識


なぜ炎上するのでしょうか。炎上の要素は谷本さんの本を読んで、炎上の要素は2つあると思いました。1つは「他人に対しての羨み、羨望」、もう一つは「規範を破る」ことです。

・自分よりもレベルが高いと思う人を引き摺り下ろしたい心理から、ゆがんだ正義感が生まれる
・「あいつはルール違反だ!やっつけてしまえ!」というゆがんだ正義感が高まると、炎上という擬似人民裁判で盛り上がる

ベッキーの不倫騒動もそうだと思います。正直、今回不倫したのが、山田花子だったとしたら、こんなに祭りにはならなかったでしょう。これは日本人女性が、ベッキーに対して、何かしらの羨望(ハーフでかわいい、芸能人、清純キャラ)を持っていたからです。そんな彼女が、みんながこうであるべきだ!という規範(清純→浮気とかしないよね!)から逸脱したから、ここまで燃えたのでしょう。



なぜ炎上が加速しているのか:SNSが炎上を広げた


さて、ここ最近炎上が加速している原因はなんでしょうか。さきほど炎上の原因は「他人に対しての羨み、羨望」、もう一つは「規範を破る」ことだと書きましたが、これがより近くで見えるようになっていることが原因です。SNSを使うと自分が憧れるだれかの生活を身近にします。誰かが規範を破ることもすぐ見えるようになります。
・snsがなければ見えなかったものが、snsを見ることによって嫉妬が生まれ、袋叩きにあう。
・憧れの人が近くなって、もっと嫉妬心が湧きやすくなった。
実際、Facebookで他人と自分を比較すればするほど、鬱症状を発症する割合が高くなるという研究もあります。詳しくは下の論文をごらんください(英語)

Seeing Everyone Else's Highlight Reels: How Facebook Usage is Linked to Depressive Symptoms

おそらくツイッター炎上もおなじでしょうね。





炎上で他人たたきをしているのはだれか


炎上で他人をたたいているのは誰でしょうか。実は、若い男性で、高収入の人が多いらしいです。

・ネット炎上に加担する人々は若い男性で、家庭もあり、高収入の人が多い。自分は他人よりも頭がよいと思われたい気持ちが強い。
・ランカスター大学の、クレアハーダカー、炎上に加担する人の多くは比較的収入の高い仕事に就く男性だった。また女性に送られた嫌がらせツイートを分析すると、その言葉の使い方はお金を持っている人が使う言葉だと分析された。

わかる気がします。高収入の人って、ある程度負けず嫌いですよね。だからいかに自分が頭がよいかを確認するために、ネット弁慶になってしまうのでしょうね。

日本人が持つべき、本当の正義感とは


今の日本人が持っている正義感は、「みんな同じ=正義」という論理です。

・日本人の正義感は、不寛容さが原因。人と違うことを許さない、日本独自の正義感
・日本人の正義感が偏る理由:異質な人の排除にもつながる
ただ、著者はこの正義感に関して異論を唱えます。みんな同じであるべきという正義感は、問題解決とは本質的には関係ないからです。
・遅刻、メールの返信、ロッカーのドアを閉めてない→均質性を理由に攻め立てる正義感は本質とは関係ない

そこで著者は「個人主義」になることを主張しています

・人を叩くのは、自分と同じに違いないと思うから
・個人主義で人外関係は楽になる
・周りと同じように振る舞うことを期待されない。自由な発想や仕事の結果が評価される

感想

最後のあるべき正義論は少し乱暴な締め方だとは思いましたが、炎上についていろいろ考えさせられました。かくいう私も時々炎上を狙うのですが、炎上って正直だれでもできるんですよね。もちろんページビュー数は増えるし、お金ももらえる。だけど本質的に誰の役にも立ってない。


そういう、誰のためにもならないけど、お金が稼げるから炎上させるってメディアってすごくダサいなって思います。人の不倫とかで稼いでいる人たちって、なんなんだろうと。


どうせバズらせるなら人をハッピーな気持ちにさせる記事を書きたいなと思う今日この頃です笑


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