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公開日 : 2017-08-27

企業内保育の何がすごいのか

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ここ最近、企業が独自に保育園を持つ、企業内保育を行なっている企業が増えている。最近だと、資生堂やイオン等、大手企業も導入し始めた。さて、そんな企業内保育であるが、一体何がすごいのか調べてみた。



目次


  • 企業内保育のメリット①:女性のキャリア向上を見込める
    • 企業内保育で、女性のキャリアアップをはかれる
  • 企業内保育のメリット②:日本の少子化を解決できる
    • 企業内保育で、合計特殊出生率を上げられる
    • 企業内保育で、出生率を上げられる
  • 企業内保育のメリット③:日本の待機児童問題と保育士問題を解決できる。
    • 企業内保育によって、保育園不足を解消できる
    • 企業内保育によって、待遇問題を解決できる
  • 最後に



企業内保育のメリット①:女性のキャリア向上を見込める


企業内保育によって女性のキャリア向上における問題を解決できる。


従来、女性はキャリアアップ育児の二択を強いられてきた。キャリアアップを狙うと、どうしても責任の重いポジションにつけられ、時間に融通の利かない働き方になってしまう。さらに一度出産を行うと、都内であれば保活(保育園、幼稚園を探す活動)に巻き込まれ、仕事にブランクができる。こうして専業主婦化してしまうと、元のポジションに戻るのはほとんど不可能になる。まさにUp or Out(昇進するか、子育てのために退職するか)という選択肢になってしまうのだ。


その点企業内保育を導入すると、これらの問題は解決できる。すなわち、保活に巻き込まれることなく保育園を探せ、キャリアと子育ての両方どりができる。企業によっては時短勤務も併用されることで、より子育てにシフトしながらもキャリアを続ける選択肢も得られることがある。専業主婦化する期間がなくなるので、子育てが落ち着いた後の復職もより簡単になるのだ。同時に、企業としては優秀な女性人材が、出産を機に人材流出してしまうこともなくなる。

企業内保育のメリット②:日本の少子化を解決できる


さらに企業内保育の導入によって、(1) 合計特殊出生率と(2) 出産率 の向上が測れ、少子化を解決できるのである


(1) 合計特殊出生率:先ほどのキャリアの話と重複するが、女性のキャリアはUp or Outだ。そうなると、子どもが欲しいけどキャリア志向の女性は、キャリアアップ後に出産するか、キャリアアップを諦めて退職し出産するかの二択になる。前者の場合、女性が昇進するまでに時間がかかり、高齢出産することになる。こうなると、一人あたりに出産できる数に限界が出てくる。


下の図を見ていただきたい。これは平成26年東京都人口動態統計から東京都の市区町村別高齢出産率(35歳以上出産率)と合計特殊出生率(一人当たりの出産率)の関係を相関係数で算出してみた。両者には中程度の負の相関があり(r = -0.51)、高齢出産率の高い地域ほど、合計特殊出生率が低くなることがわかっている。




一方、企業内保育を導入することによって、高齢出産率が低くなり、一人当たりの出産率が向上する可能性があるのである。

(2) 企業内保育で、出産率を上げられる


出産率:さらに、現状、都内の多くの人が保活で悩まされている。新しく子どもが欲しくても、まわりの先輩ママが保活に巻き込まれている様子を見ていると、子どもを産みたくても諦めざるを得ない女性も増えるだろう。


いっぽう、もし勤めている企業に保育園があれば、キャリアを追いながら育児を行い、また保育活動に巻き込まれることもないので、合計特殊出生率と出産率の両方を上げることができるのである。


企業内保育のメリット③:日本の待機児童問題と保育士問題を解決できる。


さらに、企業内保育を導入することで、(1)待機児童問題(2)保育士問題を解決することができる。


(1)待機児童問題:下の図は東京都の高齢出産率と、待機児童率で相関係数を算出したものである。高齢出産率の高い地域ほど、待機児童率は高まり(r = 0.33)、そのような地域は人口過密地域であることが多く、新たに保育園を建設することができないのである。さらに待機児童率が高い地域であれば、比較的所得が高い地域が多く、所得制限がかかり入園規制にひっかかりやすいのである。




さらに高所得層には入園制限がかけられやすく、高所得層であればあるほど、保活は困難になるのである。


一方、企業内保育が存在すれば、ビルの中に保育園を開園できるので、保育園増設の壁もも解決できるのである。


企業内保育によって、保育園不足を解消できる



現在都内など、人口が増加している人口過密地域では、保育士不足が叫ばれている。


実は、免許を持っているが保育士にはならなかった潜在保育士の数は多い。
厚生労働省の統計ある統計によると、保育士を志望しない理由の中で一番大きい原因は、待遇と労働量が見合っていないことが原因であるという。



実際、保育士の平均月収は月20万円程度であり、その割には労働時間も非常に長い。新卒の場合は、もっと低くなるであろう。


その点、企業が保育園を開園することによって、資本力のある企業が人件費を支払えば、待遇向上を見込める。例えば、ワークスアプリケーションズの企業内保育士の月収目安は30万円、資生堂株式会社の月収目安は25万円と、業界水準よりも高い値段となっている


ワークスアプリケーションズ企業内保育士の給与

資生堂株式会社

企業内で待遇を向上させることによって、潜在保育士層にアプローチすることは十分可能であるのだ。

最後に


行政で解決できない課題を、企業側で解決することに大きな可能性があるはずだ。企業内保育での成功例が蓄積し、女性のキャリア問題、少子化問題、待機児童問題等が解決されることが望まれる。




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