目次
- 大学に行くメリット① 年収が上がる
- 大学に行くメリット② 自己実現の選択肢を見つけることができる
- 大学で得られる3つの選択肢を増やすカギは①大学という学習環境、②人間関係、③自由に使える時間
- ①大学が提供する「学習環境」とは「コンテンツ」と「義務的学習空間」
- 「コンテンツ」よりも大事なのは、「義務的学習空間」
- ②大学でえられる「人間関係」から、多様性にもまれて自分を見つけよう
- ③大学が提供する「自由に使える時間」を使って、いろいろな選択肢を試してみよう
- いろいろなものを試して、本当にやりたいことを見つけられるのが大学の4年間
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大学に行くメリット ①年収が上がる
さて、大学を行く意味を、「生涯年収を上げる」という目的に限定しますと、統計的には、「大学に行く意味はある」と言えます。例えば、文科省の資料いわく、中卒・高卒・短大卒・大卒・院卒ごとに比例して生涯年収が上がっているらしいです。男性・女性ともに最終学歴が高ければ高いほど、生涯賃金が上がります。
で、大学に行く意味って、そんだけなの?
さて、大学に行く意味を狭義に「生涯賃金を上げる」と定義し、データで見ていきましたが、正直こんな味気ない考察をしてきたんですけど、
例えば生徒に
生徒「先生ー!ぼく勉強する意味なんて分からないよー!つまんないよー!べつにしなくたって生きていけるじゃん!勉強なんてしなくていいよ!」
と言われたとして、こう答えたらどうでしょうか。
先生「私はあなたの意見に同意しかねます。君の考えは間違っているからです。結論から申しますと、学歴が高ければ高いほど、生涯賃金を上げることにつながるからです。その根拠として、文科省(2013)の学歴別生涯賃金の変化を参照していただけますとご理解いただけると思います。この結果から、学歴が上がるほど収入は高くなることがわかっています。だから君の発想は間違っていて、このままだと、君の生涯賃金が著しく下がる可能性があると思いますので、つべこべいわず勉強することが得策だと思われますがいかがでしょうか。」
こう思うでしょう。
生徒「ファ?」
実際、生涯賃金の観点から大学に行く意味を議論してもあんまり面白くないので、生涯賃金とは別の視点で「大学に行く意味」を見ていきたいと思います。
大学に行くメリット② 自己実現の選択肢を見つけることができる
大学に行く目的を考えたときに、そもそもの「人生の目的」について考える必要があると思います。人生の意味とはまずは「幸せになること」だと思います。それこそ不幸せになろうとしている人はいないですよね。その幸せになるために、大学進学という「手段」があるはずです。
さて、ハッピーな人生を歩むためにには「自己実現ができるような人生を送ること」が必要ですよね。それは「仕事」「ワークライフバランス」「セックス」から、「他者貢献」など、いろいろあると思います。
その生活を送るためには、自己実現が達成できる選択肢を知りつつ、主体的に手に入れていくことが必要だと思います。
大学で得られる選択肢を3つの増やすカギは①大学という学習環境、②人間関係、③自由に使える時間
さて、大学で得られる「選択肢」を増やすカギとはなんでしょうか。
一つは①学習環境で、もう一つは、②人間関係で、最後に③自由に使える時間です。
ちなみに、学習環境<人間関係<自由に使える時間の順で、重要度が上がっていくと個人的に考えています。
①大学が提供する「学習環境」とは「コンテンツ」と「義務的学習空間」
さて、大学が提供する学習環境についてなんですけど、大きく分けて2つです。①コンテンツと②義務的学習空間です。
①コンテンツとが、学問そのものの学習内容として定義します。具体的には、教育心理学であれば、「内発的動機」「外発的動機」といった、授業で習う概念そのものです。抽象的な概念を知ることで、自分のやりたいこと、興味があることをどんどん深堀できる経験を得られると思います。
ただし、①コンテンツにかんしては突っ込んだ専門性が必要なものに限らなければ、インターネットで代替可能です。というのも、これは前記事でも説明しましたが、正直コンテンツに関しては、21世紀世代からするとほとんどネットの力で代替可能です。
例えば、今でもよく利用させていただいているKhan Academyでは、無料で小学生から大学生レベルでの算数、プログラミングをはじめ、マクロ、ミクロ経済学なんかについては勉強できてしまいます。プログラミングに関しては、簡単はHTML、CSSなんかはこのサイトで簡単に学習できてしまいますし、このブログもその知識で少しいじってます。ほかにもCourselaをはじめとするMassive Online Open Course(MOOCs)を使えば、無料で大学の講義を見れてしまいます。日本では、gaccoという日本向けのMOOCsがあり、統計学などの授業が受けられてしまいます。
「コンテンツ」よりも大事なのは、「義務的学習空間」
なので、①コンテンツに関しては、大学が提供する価値としてはほかのもので代替可能なので低いです。ただし、②義務的な学習空間については、正直かなり意味があると思います。
たとえば、もともと勉強する気がない人は、強制的な学習環境がなければ勉強しませんし、僕みたいに勉強の意欲はあるけど、興味ないものには手を出さない人にとっては、「修了必要な単位」が決まっていることほど、幅広い教養を広めるチャンスは大学以外あまりありません。
強制的に、幅広い教養を身に着けるための仕組みとして、大学は非常に大きな価値が今でもあると思います。
ちなみに、一年生のころから同じ教育専攻の親友と話していますが、この強制的に学習する環境のために大学というハコは今後も存続するだろうなってよく議論しています。
彼いわく、e-learningの最大の課題は、強制されないのでなかなか継続できないことあるそうです。
②大学でえられる「人間関係」から、多様性にもまれて自分を見つけよう
大学が提供する、自己実現ができる選択肢のカギのもう一つが、そこで得られる人間関係です。多様な人間と同時に出会うことで、多様性にもまれて本当の自分に出会うことができます。
自分探しをしても自分は見つかりません。友達との関係性の中で自分らしさが見つかります。しかし、大学の友達との偶然の出会いが、人生を180度変える経験は何度も経験しております。人間関係の多様性にもまれることで、はじめて自分自身とは何かを見直すことができるという点で、大学時代に多様な人間に知り合うことは、中長期的に非常に有意義なことだと思います。
例えば、もともと先生になりたかった自分が、今の就職先についているのも、もとはといえば先ほど紹介した友人との出会いや、教職をとっていた仲間との出会いから、今までにつながっています。
人間関係の中で知りえる情報や、そこで得られる選択肢を通して、いろいろな経験をすることができます。いろいろな経験を友人と、またその広がりの中ですることで、自分とは何かを見つめなおすことができること、これが自分の中で大学生活が非常によい経験だったと思っています。
その人間関係の質とは、多様性のことです。そして、これは直感ですが、多様性が大きいほどより難関大学だと思います。
もちろん一般化してしまうのはだめですが、やはり勉強してこなかった人達と話していると、同じような考えで、同じように全体最適化されてしまう人が多いので、その中で本当の自分を見出すことが非常に難しいです。(そういう人ほど「個」を主張したがるのは非常に面白いところです。)
図7) 学力と多様性の相関図(適当)
図7) 学力と多様性の相関図(適当)
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③大学が提供する「自由に使える時間」を使って、いろいろな選択肢を試してみよう
大学4年間で使える「自由に使える時間」とは、さまざまな選択肢を時間が許す限りすべて試すことができる魔法の時間のことを指します。
そして、これは人間関係と一緒で、いろんな人の多様性の中で自分はどんな人間なのかを理解するのと同様に、いろんな選択肢の中で、自分の中で何が一番フィットするのかを理解するための資源だと思います。
僕自身、いろいろ試しました。大学1年目は体育会系サークルに入り、「汚れがとれない石鹸」なみの価値しかないこと(つまりいないほうがマシ)を知り、「これはどんなに努力しても向いてないんだな~」と塾講師に方向転換。塾講師はかなり頑張り、生徒の満足度ランキングも上位までいきました。
しかし「学力を上げるための個々人の先生の能力より、システムでどうにかなる部分のほうが多くないか?」と考えた結果、大学の友達からの紹介でe-learningのmanaveeに参画しました。また、「教育とビジネスってどうやって一緒に成り立たせるんだろう」と思いつつ、その団体の紹介で最終的にedtech企業の営業のインターンをやりました。
営業で成果を出し、さらに人に教えて成果出してもらう経験して初めて「あ、俺って人と組織の育成に興味あるのかも?」ということに気づけました。また、複雑だった業務を改善し、楽ちんにすることが楽しかったりしました。
しかし「学力を上げるための個々人の先生の能力より、システムでどうにかなる部分のほうが多くないか?」と考えた結果、大学の友達からの紹介でe-learningのmanaveeに参画しました。また、「教育とビジネスってどうやって一緒に成り立たせるんだろう」と思いつつ、その団体の紹介で最終的にedtech企業の営業のインターンをやりました。
営業で成果を出し、さらに人に教えて成果出してもらう経験して初めて「あ、俺って人と組織の育成に興味あるのかも?」ということに気づけました。また、複雑だった業務を改善し、楽ちんにすることが楽しかったりしました。
そんなこんなで4年間の中でやっと本当にやりたいことを見つけましたし、逆に4年間という歳月がなければ決して見つけられなかったことだと思います。その面で、いろんな選択肢にもまれるための自由に使える時間は、非常に大事だと思いました。(ただし全てに手を出してなーなーになった時期もありました。広げて狭めて深く追求していくのが大事ですね。)
いろいろなものを試して、本当にやりたいことを見つけられるのが大学の4年間
個人的にはいろんなもの試してベストなもの選ぶのが一番楽しい人生を送れるのではないかなと思います。
まとめ
- 大学に行く価値の一つは①生涯年収の増加するというところ
- 大学に行く価値の二つ目は自己実現ができるような選択肢を得られるところ
- 大学生活の4年間は、(1)学習環境(2)人間関係(3)自由な時間を与えられている
- その中の学問・人間関係・また余暇時間でえられる様々な選択肢にもまれて、ベストな人生を選ぶことが大事