2016-12-07

小学校受験はさせるべき?小学校受験のメリットを考えてみた その2

小学校受験をさせるメリットはあるのか



小学校受験をさせたほうがいいのでしょうか。

小学生までは、自由な時間を与えたいから公立学校でよいという親御さんも多いと思います。小学受験は賛否両論がありますよね。真相はいかに。今回はそれを見ていきます。


要約

  1. 小学受験組は、よく新聞を読む
  2. 少額受験組は、読書が好き
  3. 小学受験組は、ゲームをしない
  4. 小学受験組は、やりぬく力が強い
  5. 小学受験組は、勉強時間が長い

小学受験のメリットとは


パピマミコラムさんによると、小学校受験をさせるメリットについてこう書かれています。

私立小のメリット8つ

(1)教師に転勤がない『しっかりした優秀な先生が多く、公立と違って転勤がないので、指導に対する責任感が強いと感じます。音楽など専任の先生がいます』(3年生女の子ママ)

(2)教育カリキュラムが充実『1~6年生まで、具体的で徹底したカリキュラムが組んであります。高学年では習熟度別のクラスに分かれていたり、成績が伸び悩んでいるお子さんには補習をしたり、落ちこぼれを作らないよう学校側が取り組んでくれます』(5年生女の子ママ)

(3)教育熱心な保護者が多い『小さいころから幼児教室に通わせ、早期教育が当たり前のご家庭が多いです。中学受験などの情報交換もできて、同じような価値観を持つ保護者がいらっしゃいます』(1年生男の子ママ)

(4)しつけが行き届いている『子どもが通っている学校は、私立の中では自由な校風ですが、悪いことは悪いと子どもに正してくださる教育方針が共感できます。うちの子も常識的な善悪の判断が身についてきたと思います』(3年生男の子ママ)

(5)育ちの良い友だちに恵まれる『娘は、穏やかな学校生活を送っています。医師や教育者など家庭環境に恵まれているお子さんが多く、男の子も乱暴な子がいないので、安心して通わせています』(3年生女の子ママ)

(6)子どもの個性が伸ばせる私立小学校には特色のある学校が多く、子どもの個性に合った学校を選べば、その個性を伸ばしていくことができます。 
(7)内部進学ができる
小学校受験に合格すれば、その後の中学受験や高校受験、大学受験といった、つらく厳しい受験をせずに進学することが可能です。
有名大学付属の私立小学校などでは、小学校受験以降の受験戦争を体験することなく、落ち着いて勉強やスポーツに打ち込めます。
また、大きくなってからの受験よりも小学校受験のほうが、親子ともに失敗したときの落胆も少なくて済むでしょう。
(8)友達との付き合いが長く深いものになる
内部進学で大学まで行ける私立小学校であれば、小学生時代にできた友達との付き合いが途中で途切れることは少なく、長く深い付き合いができます。

大きく分けると、

①お友達の質
②お友達の親の質
学校の教育

が大きなメリットになるということでしょう。
さて、これをデータで見てみましょう。

小学校受験によって、子どもの環境は大きく変わるのか


小学校受験をさせると、上のようなメリットを得られるということは、統計的に見ても成り立つのでしょうか。今回は、全国学力・学習状況調査(2015)を利用して、子どもの質、親の質、学校教育の質について分析してみましょう。

この調査では、生徒向けの質問調査と、学校用の質問調査がありました。まず最初の生徒用の質問調査を用いて、分析してみます。



またこの調査は公立、私立、国立別に調査しているので、私立、国立を小学校受験組とみてみます。小学校受験をしたお友達はどんな様子なのでしょうか。全国学習状況調査を分析した結果、いかのことが明らかになりました。


受験組のほうが公立学校の生徒よりも、新聞を読んでいる


公立、私立、国立別に、新聞を読む割合を集計した結果、私立、国立小学校の生徒のほうが、「ほぼ毎日新聞を読んでいる」もしくは「週に1~3回程度読んでいる」と答えた割合が、公立小学校の生徒より15%程度高いようです。

また、公立小学校では「ほとんど、または全く読まない」が54.3%なのに対して、私立、国立小学校ではいずれも40%未満でした。





② 受験組のほうが公立学校の生徒よりも読書が好き


また同様に、私立、国立小学校の生徒のほうが、「読書が好きですか」という質問に「あてはまる」と答えた割合が、公立学校の生徒と比べて、10%ほど高かったです。





③ 受験組のほうが公立学校の生徒よりもゲームのプレイ時間が短い


小学生の一日のゲームの時間を集計した結果、私立、国立小学校の生徒のほうが、「4時間以上」と答えた割合が、公立学校の生徒と比べて、10%ほど高かったです。

また、




④ 受験組のほうが公立学校の生徒よりも「やりきる力」が少し強い


物事を最後までやりとげる力、つまり粘り強さ(以前粘り強さが成功に最も関係していることについて書いたGRITを紹介しました)を集計した結果、わずかではありますが受験組のほうが公立小学校組よりも高いみたいです。



失敗を恐れないで挑戦する力が国立>公立>私立の順に強い


失敗を恐れないで挑戦しているかに関しては、受験というくくりで見るとあまり関係ありませんでした。ここは意外に私立が弱いのですね。



④ 受験組のほうが公立小学校よりも勉強時間が圧倒的に多い


受験組のほうが公立小学校組よりも勉強時間が圧倒的に高いみたいです。特に、私立と国立だと過半数以上が2時間以上勉強しているみたいです。

入るまでも大変なのに、入ってからもっと大変だ・・・・・




私立、国立小学校に通ってらっしゃるお子さんは、ちゃんと勉強していて、本も好きで、新聞もちゃんと読んでて、ゲームもほどほどにしている子供が多いですね。

このようにみると、

(3)教育熱心な保護者が多い 
(4)しつけが行き届いている
(5)育ちの良い友だちに恵まれる

に関しては、データからみても言えるのではないでしょうか。
ちなみに僕は野良公立小学生でしたが・・・・(羨望のまなざし)

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