■ビジネスの二面性
ビジネスとは、本来人の役に立って対価がもらえるもの。今回の場合は、そうでなかったと思います。
単価の高い広告収入を得るために(医療だとワンクリック200円らしいです)、データの信ぴょう性が低く、無断転生、改ざんをした質の低い記事をクラウドソーシングを使い量産し、SEO効果のみ高める戦略をつかって収益を得ていたらしいです。
医療分野という、生命に関する内容を扱っていた点、そして無断転生、改ざんをされた医療関係者、またすべてのへの被害は深刻だと思います。
■「嘘を嘘と見抜けない人」を食い物にする情報リテラシーの問題
「嘘を嘘と見抜けない人がインターネットを使うのは難しい」とひろゆき氏が言いました。今回の記事はそんな「嘘を嘘と見抜けない人」を集めて、収益を上げていくビジネスだったのではないでしょうか。
既存のメディア(テレビ、ラジオ)は情報発信源に説明責任があり、質の高い情報を流さなければなりませんでした。一方で、政府、企業間での利害関係があり、発信できる情報は限られていました。
インターネットの登場で、情報の受信、発信は相互的になり、パワーバランスからは比較的自由になりました。一方で、「誰が何を何のために伝えているか」は、匿名性が高く、説明責任が低いインターネットという媒体のおかげで、見抜くことが難しくなりました。批判的に「誰が何のために」伝えているか、その情報源は信ぴょう性があるのかを考えることなしに情報をうのみにすることが、非常に危険になっているわけです。
一方で、リテラシーがない人は、既存のメディアと同じようにインターネットをうのみにするわけです。「インターネットの意見は正しい。情報も大手企業が言っているのだから大丈夫だろう」と。決して「DeNAが(誰が)、過激なタイトルをつけることでSEO効果を上げて(何を)、収益を上げるために(何のために)、記事を量産している」とは疑わないわけです。
もしこの記事の医療法を信じ、身体に被害を及ぼしたとしましょう。
そうした場合、完全に、弱肉強食の世界で、リテラシーの低い人は食い物にされているのです。広告収入のために、嘘の情報でリテラシーの低い人を操り、身体的被害を及ぼしている。しかも、リテラシーの低い人はその構造に気づかない。
知は力なりといいますが、結局リテラシーがないと、こういう構造すら気づけないまま、搾取されつづけるのではないでしょうか。
■日本の格差が広がり続けるなら、リテラシーの弱肉強食が拡大されるのではないか
そして、リテラシーは学校ではなかなか教えてくれません。おそらくですがリテラシーは生まれてきた階層(所得、教育等)の影響を受けると思います。
この階層間格差が日本は広がり続けているとピケティ氏は述べました。
この格差が広がり続ければ、リテラシーの弱肉強食構造も広がり続けるのではないでしょうか。リテラシーの低さから、気づかないまま、搾取されつづけるのでしょう。