私立小学校、国立小学校はどんな教育なのか
前回は、子供、親の教育の質をもとに、私立、国立小学校の教育についてみてきました。
http://review-of-my-life.blogspot.jp/2016/12/shogakujukenkids.html
今回は、学校自体の教育環境を見てみたいと思います。
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今回は、学校自体の教育環境を見てみたいと思います。
小学校受験をするメリット
私立小のメリット8つ
(1)教師に転勤がない『しっかりした優秀な先生が多く、公立と違って転勤がないので、指導に対する責任感が強いと感じます。音楽など専任の先生がいます』(3年生女の子ママ)
(2)教育カリキュラムが充実『1~6年生まで、具体的で徹底したカリキュラムが組んであります。高学年では習熟度別のクラスに分かれていたり、成績が伸び悩んでいるお子さんには補習をしたり、落ちこぼれを作らないよう学校側が取り組んでくれます』(5年生女の子ママ)
(3)教育熱心な保護者が多い『小さいころから幼児教室に通わせ、早期教育が当たり前のご家庭が多いです。中学受験などの情報交換もできて、同じような価値観を持つ保護者がいらっしゃいます』(1年生男の子ママ)
(4)しつけが行き届いている『子どもが通っている学校は、私立の中では自由な校風ですが、悪いことは悪いと子どもに正してくださる教育方針が共感できます。うちの子も常識的な善悪の判断が身についてきたと思います』(3年生男の子ママ)
(5)育ちの良い友だちに恵まれる『娘は、穏やかな学校生活を送っています。医師や教育者など家庭環境に恵まれているお子さんが多く、男の子も乱暴な子がいないので、安心して通わせています』(3年生女の子ママ)
(6)子どもの個性が伸ばせる私立小学校には特色のある学校が多く、子どもの個性に合った学校を選べば、その個性を伸ばしていくことができます。
(7)内部進学ができる小学校受験に合格すれば、その後の中学受験や高校受験、大学受験といった、つらく厳しい受験をせずに進学することが可能です。
有名大学付属の私立小学校などでは、小学校受験以降の受験戦争を体験することなく、落ち着いて勉強やスポーツに打ち込めます。
また、大きくなってからの受験よりも小学校受験のほうが、親子ともに失敗したときの落胆も少なくて済むでしょう。
(8)友達との付き合いが長く深いものになる内部進学で大学まで行ける私立小学校であれば、小学生時代にできた友達との付き合いが途中で途切れることは少なく、長く深い付き合いができます。
ほとんど国立にも同じようなことが当てはまるとおもいますので、この軸で見ていきます。
前回は、生徒と親御さんのデータを、児童用の調査用紙を見て考察しました。
その結果、(3)、(4)、(5)についてはデータからも裏付けができました。
私立、国立小学校の授業と公立授業の内容、環境は異なるのか
それでは、実際に授業や学校環境はどうなっているのでしょうか。
今回は、2015年度の全国学力・学習状況調査の先生用の回答を集計して、分析を行いました。
今回は、2015年度の全国学力・学習状況調査の先生用の回答を集計して、分析を行いました。
まずは学習環境面を見ていきましょう。
受験組のほうが、公立小学校と比べて、授業中の私語が少ない
グラフを見るとわかりますが、公立学校よりも私語をしないようですね。
先生からしたら、授業はやりやすいでしょう。同時に、みんなしっかり聞いてくれているので、授業もやる気になるでしょう。
生徒からしたら、私語をするようなお友達が少ないので、授業にまじめに取り組みやすいのではないでしょうか。
ただ、これが先生が優秀だから生徒も黙って聞くのか、もともと黙って授業を聞く習慣がある子どもが入学してきているのかはわかりませんね。
いずれにしても、静かに授業を受ける教育環境は整っているみたいです。
受験組のほうが、公立小学校と比べて、先生が生徒を「熱意をもって勉強をしている」と評価している
ここでも公立だと格差がでますね。先生自体が、「熱意を持って勉強している」と生徒をみなしているのであれば、先生からしても、生徒に対する期待も高まり授業効果も相乗的に上がると思います。実際、生徒に対する期待によって学力は大きく変わります。
さて、今度は授業の内容面についてみていきましょう。
受験組のほうが、公立小学校と比べて、調べ学習をして文章を書く機会を多く提供している
なるほど、グラフを見ると、調べ学習に関して、自分が思ったことをアウトプットする機会は、私立、国立のほうが多いようです。
私立小学校は、学習サポートが手厚い
私立、公立、国立の順番で、授業後の補習サポートが充実しているようです。
意外に国立は低いようですね。
私立はやはり教育サービスなので、評判が命です。リピーターが増えるよう、このように説明責任を果たすのでしょうね。
意外に国立は低いようですね。
私立はやはり教育サービスなので、評判が命です。リピーターが増えるよう、このように説明責任を果たすのでしょうね。
私立小学校は、習熟度別に上を伸ばす発展授業を行っている。公立は何もしていない
私立小学校では特に、習熟度別に分けて、習熟の高いクラスにはより発展的な内容を教えているようです。一方で、国立はやけに低いですね。公立のほうがまだ国立よりも発展的な授業を行っているようです。
私立、公立は習熟度別に遅れを取り戻させるクラスを用意している。国立はほぼ何もしていない
一方で、公立学校のほうが習熟度別クラスで、遅れを取り戻されるクラスを用意しているようです。これはわずかに私立よりもリードしています。
これは公立学校が、平等主義に力を置いているからではないでしょうか。
次は、教員の経験年数を見ていきます。
教員の経験年数は、学校によって違った。
教員経験が5年未満の割合をみます。
国立だと、教員歴5年未満の人が少ないです。
意外に私立だと、教員歴が短い人が多いみたいですね。
5~10年未満の教員経験者は、やはり国立が非常に多いです。
国立>私立>公立の順番で、経験者が増えていきます。
10ー20年未満も、国立>私立>公立の順番で増えていきます。
20年以上の超ベテラン先生の数は、公立が多いですね。
これらのデータから見ると、
・新米先生は国立には少なく、私立、公立には多い
・中堅先生は、公立には少なく、私立、国立には多い
・ベテラン先生は、国立、私立ではなく、公立に多い
ということになります。
まとめ
今回の分析で分かったのは以下の通りです。
まず、<私立、国立に共通する授業環境面>。
私立、国立のほうが公立と比べて、授業中の私語が少ないです。また、先生も生徒が「熱意をもって勉強してくれている」と評価しています。
また、公立と比べると、調べ学習など、文章を書く機会を多く提供しています。
次に、<私立の特性>です。
私立小学校は、授業後のフォローしてくれる体制がほかの学校よりも整っています。
また、国立、公立と比べると、習熟度別の発展クラスを行っている割合が多いです。
教員の経験年数は、学校によって違いました。大まかな傾向として、
・私立、公立は新米先生が多い
・国立は中堅の先生が多い
・公立には20年以上のベテラン先生が多い
ということでした。
ということで、私立に関しては、授業後のフォローアップの仕組みと、習熟度別の発展クラスが多いことから、
(2)教育カリキュラムが充実
『1~6年生まで、具体的で徹底したカリキュラムが組んであります。高学年では習熟度別のクラスに分かれていたり、成績が伸び悩んでいるお子さんには補習をしたり、落ちこぼれを作らないよう学校側が取り組んでくれます』(5年生女の子ママ)
に関してはただしいといえるのではないでしょうか。
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