いま中小企業やベンチャー企業を受けている就活生の方も多いと思います。
今回は、中小企業とベンチャー企業を受ける際に、オワハラについて気を付けてほしいことを実体験をもとにお話しします。
就職活動で聞く「オワハラ」の意味とは
オワハラとは、就活終われハラスメントの略です。
オワハラとは「就活終われハラスメント」の略語で、就職活動中の学生に「他社を断ったら内定を決める」、「ここで就活を終わる意思を示せ」、「もう他社の面接は受けるな」などと発言する事や、示唆するような言動を企業が取る事から付けられたハラスメント行為です。(就活のオワハラを撃退!就活生を恐怖に陥れる具体例と対処法)
僕が経験した、オワハラの実態
僕は去年中小企業やベンチャーを多く受けていましたが、その中でオワハラに遭遇しました。その会社の選考では、グループディスカッションが3回終わった後に、マッチング期間というものがあります。応募時にはその期間がどのくらいになるのかが書いてありません。
その会社のグループディスカッションにすべて通り、マッチング期間に到達したのはちょうど選考は5-6月の時でした。ちょうど大手の選考が始まる時ですね。
長期間会社に拘束される
いつになったら終わるのかがわからないまま、3週間くらいが経過していました。
第一志望でないと最終面接に進めない
初めてのオワハラです。そんなに志望度が高くなければ断ればよいですが、そういうわけにはいきません。そこで「わかりました、第一志望なので、他社の選考は辞退します」と答え、内定後に就活を続けようと考えました。
結局、最終面接に進み内定しました。
ところが、内定したらその次の週から、全員必須の宿泊研修が入れられていたのです。これも内定してから伝えられました。
様々な選択肢を見た上で決めたかったので、正直就職活動を進める気満々だった自分としては、困りました。そして同時に、この企業の露骨すぎるオワハラを見て、まったく入る気がなくなりました。
ただ、3カ月近くかけて選考を受けて内定辞退するのはもったいないので、大学の授業が入っていてどうしても抜けられないと伝え、他社の選考を受けていました。
その後7月くらいに辞退の連絡を入れたら、「会社まで来て謝りに来い」と言われました。
企業の言い分
(1)お互いのために、この会社に本当にあっている人をきちんと採用したいから会社に拘束して面談を多く入れるのは当然ということだと思います。
(2)辞退されたくないから、第一志望の人しか採用したくないし、他社の選考を受けないと約束したはずだ
(3)だからその約束を破ったのは迷惑だからあやまりに来い
反論
企業の採用費にどれだけかかっているかも知ってますし、確かに嘘をつくこと自体大きな問題なのかもしれません。そこは僕も悪いと思います。しかし、反論の余地はあると思います。
(1)お互いのために、この会社に本当にあっている人をきちんと採用したいから会社に拘束して面談を多く入れるのは当然
合っている人をとりたいのはどこの企業も同じだと思います。
言いたいことはわかりますが、だからと言って事前に何も伝えず拘束するのは問題なのではないでしょうか。(2)辞退されたくないから、第一志望の人しか採用したくないし、他社の選考を受けないと約束したはずだ
それならばもっと採用PRを工夫するなりして、第一志望の人が残りやすいような仕組みに変えるべきだと思います。
オワハラの対処法
問題はある程度志望度が高い企業で、かつまだほかの企業の就職活動を続けたい場合です。こうなると、本当のことを言ってだめならうそをつかざるを得ないと思います。
そういう会社では、あまり他社を受けていることや内定をもらっていることを伝えるのは万が一に備えてやめておいたほうがいいかもしれません。なぜなら、最終面接で内定後にその場で辞退の電話を入れさせる可能性があるからです。(友人でも何人かいました)
また、内定後イベントを即入れてくる会社もあると思います。もし就職活動を続けたく、それを人事の人に説明して説得できないのであれば、事前に日にちをブロックして用事を作っておけるような口実を作ったほうがよいです。
内定辞退は、企業に迷惑をかけるのは間違いないことです。
とはいえ、新卒カードを使えるのも人生で一度。オワハラのために人生を棒にふるってしまうのはおかしい話だと思います。
就職活動、更にはその後の会社生活において、労働者と使用者(会社)の間にある程度の信頼関係がなければなりません。“オワハラに近い”行為を全て拒絶していたのであれば、自らの道を狭めてしまいかねません。
就職活動は、企業とのお見合いみたいなもので、就職活動生と企業のある程度の合意と信頼関係が必要です。全て完璧を求めようとしても、そのような企業はありません。過剰に「オワハラだ」と反応することはいかがなものかと考えます。大切なことは、会社で、自分が何をしたくて、結果的にそれがどのように会社の役に立つかです。法律が守ってくれるからと言って、就職活動生が大手を振れる訳ではありませんし、立場を利用して企業があからさまなオワハラを行なうことも良くありません。バランスが大事です。また、オワハラを始めとするハラスメント問題は、判断基準が曖昧な事も言えます。代表的なパワハラ・セクハラも「教育の一環」「コミュニケーションの一環」として、甲乙付け難い事も事実です。オワハラも基準が曖昧で、入社しない限り1度きりの関わりで終わりますので、大きな問題までには発展しません。しかし、新卒での就職活動は1度切りです。オワハラに負けてしまい、今後の人生を簡単に考えないように気を付けましょう。本当に自分が働きたいという会社を突き詰めていく必要があります。(新卒就活生必見!法的に見たオワハラの実態と対処法)