日本人はなぜ英語を話せないのか
先日、Newspicksを見ていたら、不思議だ! 日本人はなぜ勉強したのに「英語が下手」なの?=中国報道という記事がありました。それによると日本人が英語が話せないのは
(1)日本の学校では文法や語彙の習得を重視する結果、学生たちが授業中に英語を話す機会が少ない(2)「完璧に話せないなら、話さない」という完全主義に基づく考え方という理由かららしいですね。
なぜ英語を話せない?News Picksユーザーのコメント
さて、この記事に対して、いろいろな意見がありましたが、大きく分けると3つありました。(1)学校のせい型、(2)日本語の言語構造型、(3)必要性型です。
(1)「学校教育のせい」型:日本の英語教育がクソofクソ!受験が悪の根源!
英語を学ぶ目的が、コミュニケーションではなく受験のためのものに成り下がっている、教員が英語を使えることによるメリットを示せていないのが問題ではないかと思います。
日本人が英語を話せないのは、学習方法が間違っているからです。
(2)日本語の言語構造的に無理ゲー型:日本語と英語はそもそも違いすぎるんじゃね?
そもそも日本語とは構造が真逆。"私は持っているペンを。""あなたは好きですか?りんごを。"みたいな事ですから義務教育の英会話時間は最低ネイティヴな先生に教わらないと絶対に解決しないでしょう。
(3)必要性型:英語習っても実際使わなきゃできないっしょ
必要性ではないでしょうか。趣味として語学を楽しむ方以外は、必要性に迫られないと言葉は身に付かないと思います。海外に住んでも、日本語でのサービスは沢山ありますし、日系取引が仕事の方は、英語(現地語)の必要性がない方もいます。
日本市場が大きいから、海外に出ることが少なく必要性を近くに感じないからだと思う。だいたいこんな感じです。
今回は、英語を話せる国の人たちは、なぜ英語を話せるのか調べてみました。
目次
- 【世界の英語を話せる国は?】英語能力指数ランキング
- 英語が話せる国の特徴は?
- ①もともとイギリスの植民地だったから教育が英語で行われる
- ②多民族国家で意思疎通に英語が必要
- ③人口が少ないので母国語の翻訳需要が少なく、英語を使わざるを得ない
- ④内需が少ないので、英語を使って海外で働かざるを得ない
- 日本は英語を話す環境としては最悪
【世界の英語を話せる国は?】英語能力指数ランキング
さてさて、それなら英語できる国と日本比べたらおもろいんでねえかと思いまして、成人後の英語能力ランキングを公表しているEducation Firstによる成人の英語能力指数ランキングを見てみました。
EFは成人の英語能力を経年的に計測・追跡 する世界規模のベンチマークである、EF 英語能力指数 (EF EPI)を毎年公開しています。EF・EPIそんで、世界の成人の英語話者ランキングみるとこんな感じになりました。
01 オランダ
02 デンマーク
03 スウェーデン
04 ノルウェー
05 フィンランド
06 シンガポール
07 ルクセンブルク
08 オーストリア
09 ドイツ
10 ポーランド
11 ベルギー
12 マレーシア
13 フィリピン
14 スイス
15 ポルトガル
16 チェコ共和国
17 セルビア
18 ハンガリー
19 アルゼンチン
20 ルーマニア
21 スロバキア
北欧、およびヨーロッパが首位についています。ヨーロッパだけで見てみると
オランダ、デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド等北欧が多いですね。
さて、今度はアジアだけで見てみましょう。シンガポール、マレーシア、フィリピン、インド等が上位に挙がっていました。ちなみに日本は「あまり話せない」に分類されています。
英語が話せる国の特徴は?
さて、これらの英語が話せる国には、様々な共通の特徴があります。
①もともとイギリスの植民地だったから教育が英語で行われる
これをいうと元の子もないのですが、例えばインド、マレーシアはイギリスに統治されてましたし、フィリピンはアメリカに統治されました。英語話者が支配者だったので、例えば小学校から英語教育が行われていたり、大学教育は英語で行われることが多いですよね。
②多民族国家で意思疎通に英語が必要
あと、これが結構忘れられやすい視点なのですが、英語が民族間の共通言語として利用されるケースです。例えばインド。実は公用語はヒンディー語と英語があるらしいのです。しかしインド国内に22言語あるわけです。実は公用語のヒンディー語もインド人口の18%、ですのでヒンディー語だけでは意思疎通ができないんですね。しかもそこに民族の違いも出てくるので、そこで無難な選択となるのが英語らしいです。
ほかにはマレーシアも。
多民族国家であるマレーシアでは、どんな言語が話されているかご存知でしょうか?マレーシアの民族構成は主に、マレー系、中華系、インド系の三つの民族から成り立っています。同民族同士ではマレー語・中国語・タミル語などの言語を使いますが、異民族間では英語で話すことがほとんどです。マレーシアでは英語が実質的な共通語になっています。英語力アジアNo.1!? 英語大国マレーシアの”マングリッシュ”とは?
③人口が少ないので母国語の翻訳需要が少なく、英語を使わざるを得ない
これは北欧諸国に多いのですが、国内の人口規模が小さすぎて、自国の言語に翻訳された文化が入ってこず、そのまま英語で入ってくるらしいですね。
スウェーデンでは、英語の映画やテレビ番組は吹き替えでなく、字幕はつきますが英語のまま上映・放映されます。このように、日頃から英語をよく耳にするというのも、英語上達の一因としてよく挙げられています。子供の頃から、自然に慣れ親しむことと、母国語との類似性が、英語に対するハードルを低くし、また外国語全般への抵抗感を小さくするのかもしれません。
フィンランドという小さなマーケットの国では、ゲームもフィンランド語にローカライズされることは少なく、多くの場合は、英語版を買うか、英語のサイトからダウンロードすることになる。ゲームをするにも英語が必要なのだ。フィンランド人は、どうして英語が上手なの? その理由を調べてみた
ちなみにフィンランドは、インドヨーロッパ語族ではないため、英語と似た構造ではないです。一方で、このように英語力の高いパフォーマンスが表れているのは示唆に富んでいるかもしれませんね。
④内需が少ないので、英語を使って海外で働かざるを得ない
これは南アジア、東南アジア、北欧でもいえることですね。国内で働いていても成長が見込めない。海外に出てったほうが強い。だから英語を学ぶという論理です。
フィンランド人が語学の習得を重視する背景には、人口540万人という国の市場の規模がある。国内のマーケットだけでは、大きな成長は見込めないため、フィンランドでは、どんな零細企業でも海外進出が念頭にある。職種別にみても、デパートの販売員や旅行関係のサービス業など、英語はもちろんのことスウェーデン語も必須なものが多い。フィンランド人は、どうして英語が上手なの? その理由を調べてみた
日本は英語を話す環境としては最悪
英語を話せる国と日本を比較したときに、日本ってつくづく英語を話す必要性のない国なんだなと感じます。
だって日本人しかいないから英語なんて学ばなくても通じるし、一億人近くの人口がいるから日本語で文化消費できてしまうし、今のところまだ1億人いるから内需だけでなんとかなっちゃうだろうから、海外に死ぬ気で働きに行く必要もないですからね。(沈みゆく船なんですけれどもね)
教育のせいにするのは簡単なんですけど、正直6年間学んでも使う機会も必要性もなければ、英語ができなくても当然なような気がしました。
ちなみに、そこそこの学力があれば、ちゃんと大学で英語を使っていればある程度英語はできるようになります。個人的には、日本のインテリ層が英語を使えるようになるポテンシャルはあるのに、使う機会がなくて機会損失してるのがもったいないなと思いました。