道理とは、相手の行動の原則である。善悪の基準や目的と言ってよい。
相手の道理を聞くべき3つの理由
相手の道理を理解すべき理由はたくさんある。
1. より多くの情報で判断できるようになるから
品質保証の仕事をしていると、開発とのコミュニケーションがある。なぜ、開発はその仕様にしたのか。品質保証の部門にいると、一見不必要地思えることもある。
ただ、開発には開発なりに、ちゃんとそういう仕様にした理由もある。よく自分がやってしまうのは、開発の意図を知らずに、自分の意見を推し進めてしまうことだ。
特に知識が浅い段階でそれをやると、だいたい知識が浅はかなのが露呈して、結局論理的に自分が間違っていることが判明する。
相手の意図を聞かないと、少ない情報から判断を下す必要が出てくる。まるで氷山の一角を見て、小さな島と主張するが、大きな島だと後で思い知るように。そして、不確かな情報で判断せざるを得なくなるのだ。
2. 相手と戦わず、共通の目標に向かっていけるから
また、相手の道理を聞かずに、進めてしまう弊害として、相手と戦うことになってしまい、目的の方向へ向くことができなくなることだ。
本来同じ製品を作っていて、ゴールは一緒なのに、無駄な対立コストをかけてしまう。
自分と相手がお互いの意図を理解し、二つの観点からお商品がよりよくなるために、お互いができることは何か。お互いの損得ではなく、製品にとって何が最も良いのかを考えられるのが理想だ。
そして、相手と協力してよりよい製品を作れるよう、その土台づくりはまず相手が心地よいようなコミュニケーション、を取れるようにするために、相手の話を理解することが重要なのだろう。
3. 意図がわかれば、判断基準が分かるから
経験が少ないと、判断基準が脆い。判断基準は経験に基づくことも多いのである。だから、より多くの人から道理を聞き、何が望ましく何が望ましくないか話すことにより、より多くの人の判断基準を身に付けることができる。その判断基準の経験値を高めることによって、よりよい判断ができるようになる。そのためにも、相手の道理、判断基準を聞いておくことが重要だ。