思考・論理・分析というロジカルシンキング本を読んでみた
思考・論理・分析(波頭 亮)という、ロジカルシンキング本を読んでみました。
わかりやすさ:★★★★★
面白さ:★★★★★
論理的思考という大テーマに真正面から取り組み、「思考」の原論、方法論としての「論理」、そして「分析」のテクニックという3部構成で、体系的構造的かつ平易で実践的に解説する。(Amazonより)
今まで、イシューよりはじめよ、企業参謀等のロジカルシンキング本を読んできましたが、ダントツで分かりやすく、かつダントツにロジカルシンキングに重要な要素を網羅していました。
今回は思考・論理・分析で特に役に立ちそうな思考のフレームワークについてまとめてみたいと思います。
思考方法:ディメンション・クライテリア・MECE
思考とは、何かと何かを違うとわかること。分かることは、あるものとあるものが違うと「分けられる」ことであり、「分かる」という感じに「分」が入っている理由です。
何かと何かを違うと分けるときに、必要な概念がクライテリア・ディメンション・MECEです。今回はごはんについて分析するとします。
クライテリアは、ものごとを何かと何かを切り分ける際の基準です。例えば、「いつ食べるごはんか」「どこの食事か」等です。
そしてわけると、複数の選択肢が出てきます。MECEは、もれなくダブりなく(Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive)存在する状態のことです。
例えば、「朝ごはん、昼ご飯、夕飯」「和食・洋食」と出てきますよね。例えば、「朝ごはん、昼ご飯、夕飯」の中に「ブランチ」が入っていたら、朝ごはんと昼ご飯にふくまれているので重複します。これはMutually Exclusive(相互排他的)ではないです。もし、「朝ごはん、昼ごはん」しか入っていなければ、夕飯が漏れてしまうので、Collectively Exhaustive(すべて満たしている)わけではありませんね。
ディメンションは、物事を分けるときの抽象度です。この抽象度をそろえることが大事になります。
ごはんについて分類したものはこちらになります。図式化してみるとこのようになります。
議論して話がかみ合わなくなるのは、ディメンション・クライテリア・MECEが意識できていないから
就活の時のグループディスカッションを思い出すと、話がかみ合わない人がいました。この3つの要素を前提に話すことができないからです。
例えば、「オリンピックで金メダルを倍増させるにはどうすればいいでしょうか」というお題があるときに、みんなで原因、解決方法を考えるとします。
この場合よくあるのは、全体で原因というディメンションで話しているのに、なぜか解決方法というディメンションで物事を話始めてしまうパターンです。また、成果につながらないクライテリアで分析しはじめたり、分析に必要な要素を逃してしまったりするパターンです。
この3つを意識するだけでも、だいぶかみ合った議論ができるのではないでしょうか。
推論の価値は、二つの命題の間の距離と妥当性で決まる
ある命題(主語と動詞が存在)と、ある命題に関係性があると仮設し、そこに関係性を設定するとします。
例えば、「身長が高いと、年収が高い」という推論を行うとします。
この推論の価値は、(1)身長が高いという命題と、(2)年収が高いという命題の距離と、妥当性によって決められます。
身長が高いことと、年収が高いことは、一見関係がなさそうです。僕の言葉で説明すると、この関係のなさが距離だと思っています。そして、それがどれだけ一般化できるかが妥当性だと思います。
特に面白いなと思ったところだけ載せましたが、ほかにも相関と因果、データ分析で重要なこと等がたくさん乗っていたので、非常に知的で面白かったです。